28歳、風俗嬢…未来なんて、考えたくない。


女でいたい…一生を女として生きたい。そう願う。


欲しい物の為ならどんな事だって私には出来る。





いつものように仕事を終えた私はお店の女の子2人と一緒にホストに行く約束をした。


男漁り…今通っているホストはあるのだが、半年も通って刺激もトキメキもなくなっていた。そろそろ新しいホストを探さなきゃ…そんな思いでホストの新規開拓に毎晩繰り出している。


時間はAM2:00 仕事の時はやる気のなかった化粧も、今度は気合いを入れて丁寧に仕上げる。この時間から私は女になるのだ。


私が化粧を終える頃、一緒に飲みに行く子達は、今日はどこのお店に行くかという話で盛り上がっていた。私も話に混ざり合う。一人は私と同期の子で、話も合う。名前はさゆりと言う。もう一人は、店のナンバー1で、プライドがとても高くあまり人に馴染まないのだが、なぜか私にはいつも優しい。私の憧れの存在。キョウと言う名前だ。


結局、お店から近い場所にあるホストに決まった。歩いて5分くらいの距離だけど、歩くのも面倒でタクシーをとめる。タクシーから降りると足元に気配を感じてよく見ると黒い猫が寝そべっていた。人が近づいても逃げないなんて変わった猫だ。


店に入ると1番奥の席に案内され、飲み物を聞かれる。ビールを焼酎を頼んだ。


…この店つまらない。一緒に来ている子達も同じ気持ちみたいだ。それにさっきから下手な歌を何度も歌っている他の客がウザイ。そんな事を思っていると一緒に来ていたキョウが耳元で囁いた「リカちゃん、消してきて。」


その指令を受けた私は嬉々とカラオケの機械に走る。あった!これだ!そして私は『演奏停止』のボタンを勢いよく押した。